日常につながる異日常な一日 「船頭町市」

『船頭町市 -sendo machi-ichi-』

2017年の秋から、3か月に一度のペースで季節ごとに佐伯市の船頭町界隈を舞台に開催しているエリアイベント。

みなさんはじめまして。船頭町市の主催をさせていただいております「かつお」こと河野です。今回船頭町市の記事のオファーをいただきましたので少ない文才をどうにか絞り出して、船頭町市について紹介させていただければと思います。

船頭町市の起こりはちょうど四年前の今頃に、この企画の立上げから運営を一緒にしてくれている後藤さんと、

佐伯の方が佐伯で過ごして、まちを歩いて巡って楽しむような日常をつくりたい。そんなきっかけになるような1日を想像できるエリアイベントを船頭町でやりたい。

その日だけ盛り上がって楽しかったというものではなく、その空気感が徐々に日常に繋がっていく、そんな異日常をつくっていこう。

朝市でも夜市でもなく、日常を「市」にしていきたいという気持ちを込めて名称を「船頭町市」としてスタートしました。

コンセプトは「日常につながる異日常な1日」

そんなにすぐにまちは変わらないし、徐々に継続する中で、コンセプトを軸に進みながら形を探っていこうとスモールスタートで開催した2017年秋の第1回。

”記念すべき第1回目のフライヤー”

今となっては「船頭町市の日は不思議と雨が降らない!」と言われるほどですが、

肝心の初回は見事に雨。

(今まで13回開催してきて、まともな雨は初回のみ。)

”1/13の雨開催”

参加店舗も10店舗ほどで、知名度ももちろんほとんどなかったので、来てくれるお客さんも顔が知れた友人・知人が大半で、多分50人も満たないほどの来場者だった記憶です。

自分にとって、このように企画の生み出しからしたイベントは初めてのものだったので「徐々に育てて行けばいいや」「そりゃ継続していく中で雨の日もあるよね」「認知度のなさに比べたら意外と来てくれて嬉しいな」くらいの割と前向きな気持ちだったのですが、一緒に協力してくれている仲間のみなさんも流石にその時には「あぁーかつお、これはやってしまったなー。」と少し諦めムードになっていたと聞いたのは最近のことです。笑

「佐伯の人は歩かない」

”船頭町本丁通り”

とみなさんから口を揃えて言われるけど、大分市や郊外のショッピングモールに行ったときには平然とした表情で、割と離れた駐車場に車を停めて歩いている。

そう。歩かない歩けないわけではなくて、歩きたくなるような場所がなかったり、佐伯のまち=歩かない場所という風習になっているだけだなと。

じゃあどうだったら人はまちを巡ってくれるのかな、ここの空き店舗に小洒落た雑貨屋さんがあったら、ここの空き地になっている場所にパン屋さんやコーヒースタンドがあったらどうだろうと、毎回欲しいまちの姿を想像しながら出店者さんへの声かけや当日の配置を考えて、まちの将来に向けた実験をやってるような感じです。

”欲しいまちの姿を実験的に”

”まちのこどもによる獅子舞とお囃子”

”元旅館のスペースを仮想雑貨店に”

日常をつくっていきたいので、出店していただくのは佐伯のお店を基本として、イベントの告知も市内を基本にやっています。

いくら素敵な将来の姿を作れたとしても、それが市外のすごく人気のお店を集めて、それに伴って市外からの来場者の多くでできた姿では、欲しい日常へ中々繋がっていかないのかなと。

回数を重ねて続けていくうちに、出店してくださる店舗も20、30と増えてきて、現在では大体40店舗(半数以上は船頭町の店舗)くらいの数での開催を行なってます。

船頭町市という1日が、来場いただく市民、出店者、地区の方々、運営陣のみんなにとって「佐伯のまちを歩くのも悪くないね」「こんな感じなら佐伯の人も楽しそうに歩くんだ」「昔の賑わい思い出すなー」などと、

「まちはやっぱりこっちの方がいいな」

という小さなわくわく感をみなさんと共有しながら育てて来れてるのが船頭町市のいいところかなと思ってます。

”みんながごちゃ混ぜでまちの楽しい方へ”

船頭町市に取り入れてる歪な取組みとしてドレスコードというものがありまして「来場者と出店者」「運営スタッフと出店者」といったような関係性を曖昧にして、会場内のいる全ての方がフラットに「不思議で素敵な一体感と親近感」を演出する企画として第3回目のときから変わりがわり設定しています。

(決して、身につけてないと入場をお断りするような厳しいものでは全然ありませんのでご安心を。笑)

”初めてのドレスコードは「ボーダー」”

正直思いつきで始めた取組みでしたが「ボーダー」「水玉」「赤と白」「麦わら帽子」などと季節に応じた設定をして、多くの方々が楽しんで身につけて来てくださり「実は今回はここに身につけてます」「今回のはちょっと難問だったけど頑張ったよー」などと面識がなくても自然に会話が広がっていく感じがすごく好きですね。w

先日の7/31に開催した第13回目の町市でのドレスコードは、夏開催のときにずっとやってみたかった「浴衣・甚兵衛」でした。設定したもののこれは流石にみんな着てこないかなと思ってたら、とっても沢山の方々が素敵な浴衣や甚兵衛を着られて来場してくださってました。

”浴衣姿と京町通り”

夏季も今までは日中の開催を行なってきたのですが、どうしても暑いので熱中症対策も兼ねて今回は初めて夕方(16時スタート)開催を行なったことと相まって、夕方から夜に変わる時間帯の船頭町と浴衣や甚兵衛の姿が、私は初めて見る姿なはずなのに「新しいけどどこか懐かしい」、そんな素敵な空気がとても良かったです。この夏ならではの雰囲気も「まちの日常」のひとつだなと。もしかしたら昔も夜市もこんな感じで始まったのかなと少し想いを馳せてみたり。

”どこか不思議と懐かしさを覚える夏夜のまち”

よく船頭町市が目指すゴールは何ですか?と聞かれることがあるのですが、恥ずかしいことに正直これです!って明確に言えるようなものはなくて、この1日に来場してくれた方々が「佐伯のこの船頭町のエリアって初めて歩いたけど色んなお店がまだあるんだー」「佐伯にもこんな知らない場所があるんだー」とか参加してくれる子どもたちにとって自分の暮らす佐伯のまちでの楽しかった経験やまちの姿が記憶に残ることで、あわよくば「将来佐伯で暮らしたいなー」とか、あくまでひとつの小さなキッカケのような1日が種となって、漠然とでいいので佐伯っていいところだねっていう空気感が徐々に育っていってくれたらいいなーと思っています。

その先にきっと自分らが欲しいまちの日常の姿があるのかなと。

そんな感じで、軸は持ちつつもいい意味で緩く楽しく続けていければと思っておりますので、今後とも”船頭町市”をよろしくお願いします。

船頭町市:Facebook(https://www.facebook.com/sendoumachiichi/)instagram(https://www.instagram.com/sendo.machi_ichi/

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