てまひま料理 おいしいのために、根気よく

「おいしい」のために生きているわたしの日々の中で印象に残ったもの・ことの記し

寒い時期には、煮込み料理がしたくなる。

鍋につきっきりになり、湯気を浴びながら、鍋の中をのぞき込むのが好きだ。

ここ数年、冬に必ず作るのは、本気のおでん。

本気と言っても、プロの料理人は素材選びからじっくり時間をかけて作るだろうし、料理が趣味という人には、こだわって作る人がたくさんいるだろうから、あくまで自分なりの本気である。

初期の頃の本気のおでん 一度冷まして味を染み込ませ中

本気のおでんを作り始めたのは、4年前の冬に、「おでんの素を使わずに美味しいおでんを作りたい」と思ったのがきっかけだった。

作り方を調べて、だしに使うかつお節の量に驚き、具材一つひとつへの下ごしらえの細かさに驚き、作り上げた第1回目の本気のおでんは、見事な薄味だった。

おそらく、かつお節の量を半分ほどにしてしまったのと(それでも十分多いと思った)、「このだしの味なら、食材にしっかり味が染みる」という見当が付いていなかったから。

たっぷりのかつお節、昆布からとっただしは ほんのり黄金色

以来、下ごしらえの仕方や調味料の分量などを少しずつ変えながら、本気のおでんの完成を目指して作ってきた。

おでんの作り方も様々で、いわゆる“味しみしみのおでん”に仕上げるには、一晩寝かせたり、さらには3日前から、火を入れては冷ますことを繰り返すという人もいるが、私は「今日はおでんを食べたい」と思い立ったその日に食べられるおでんの作り方を見つけたいと思った。

この冬、やっと、「ひとまずこれがベストかな」と思えるレシピにたどり着いた。

ここ数年はお正月休みの締めくくりは本気のおでん 写真は2022年ver.

今シーズンは、イベントで色んな人におでんを食べていただける機会もあり、お客さまからの「このだし、全部飲みたい!」という言葉が、とてもとても、嬉しかった。

おでん定食。イベントでお客さまが撮ってくださった素敵な写真。

ただ、自分が一番好きな具である“だいこん”が、もう少し味しみしみにできるんじゃないかと、他にできる工夫を模索している。

料理は、パッと作って、美味しく食べられると、嬉しい。

そして、すごく時間をかけて作った料理がとても美味しくできたり、しっくりこない、次はこうしよう、を繰り返してイメージ通りに仕上がったときは、たまらなく、心満たされる。

“本気シリーズ”は、ここ数年でじわじわと増え、他に、「本気の筑前煮」「本気のぶり大根」がある。

筑前煮は、他の本気シリーズに比べると、出来が安定している。毎年大晦日は、根気よく下ごしらをして、根気よく煮込んでいる。

ぶり大根は、昨年から10回ほど試行錯誤を繰り返し作っており、5回目くらいで一度美味しくできたが、その後なかなかイメージ通りに仕上がらず、心が折れそうになっていたが、先日やっとやっと、自分にとって美味しいと思えるぶり大根ができた。

刻んだ柚子の皮が相性○ 小松菜を添えると彩りも○

うまくいかないとやきもきもするが、美味しくできると、美味しいと言って食べてもらえると、それまでの苦労は吹っ飛んでしまう。

自分なりの本気で、楽しみながら、長く大切にできるようなレシピを増やしていきたい。

written by 佐郷仁美(https://www.instagram.com/daidai_syokutaku/):ふだんは管理栄養士として働きながら、料理イベントの企画・運営など「橙」として活動中。写真が趣味で、イベントなどでカメラマンをすることも。

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