“世界が幻想的な色に染まる時間”マジックアワーを追って

「おいしい」のために生きているわたしの、日々の中で印象に残ったもの・ことの記し

子どものころの夏、

夕食どき、2階から降りると、玄関にあるすりガラスの窓から、オレンジ色の光が差し込んでいた。

外に出てみると、マンションの白い壁も、雲も、自分の腕も、オレンジ色だった。まるで、夕日の色をした空気に包まれているような、不思議な感覚だったことを覚えている。

その時は、その現象に“マジックアワー”という名前が付いていることは知らなかった。

数年前、一眼レフで写真を撮るようになってからその名前を知った。夕方に山に登ったり、たまたまマジックアワーに遭遇した時には、じっくりゆっくり、空を眺める。じんわりと空の色が変化していくからおもしろい。

城山にて

マジックアワーが見られるのは、日の出前と、日の入り後。湿度や雲の量によって、きれいに見られるかどうかが変わるそうだ。一年中見られるそうだが、子どものころの記憶から、マジックアワーは夏のイメージが強い。

昨夏、仕事終わりに「今日、良さそうかも…」と思いたち、カメラを持って、海沿いの道に車を走らせた。

この日はまさしく、“当たり”の日だった。と、思う。小1時間での空の変化が、とても幻想的だった。

都会で見る、ビル街がマジックアワーに包まれる景色も綺麗なのだろうと思うが、佐伯の、海と山とマジックアワー、という自然が生み出す美しさには、息をのむものがあると思う。

朝のマジックアワーはまた雰囲気が違うらしいが、まだ見に行ったことはない。自然の条件が夕方のマジックアワーより厳しいらしいのと、朝が弱いのとで(こちらが本当の理由)まだ叶っていない。今年の夏こそ行ってみようかな…

written by 佐郷仁美(https://www.instagram.com/daidai_syokutaku/):ふだんは管理栄養士として働きながら、料理イベントの企画・運営など「橙」として活動中。写真が趣味で、イベントなどでカメラマンをすることも。

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