大分県佐伯市初のラップクルー「ANI」

5月25日、「LE PANDA HOUSE LIVE」にてデビュー

佐伯市のみならず、県南を代表するカフェ「coffee5」。ネルドリップ専門店として広く知られる一方で、この街に潜む奇特な奴らの憩いの場でもある。サイキシミンの大谷慎之介が自ら企画する自身の誕生日会も、coffee5で行われる。大谷が年齢の数だけ友人を招待し、曲のプレゼントを強要するハラスメントめいた催しだ。当たり前だが年々参加者は増え、昨年は合計41人でついに5時間に及ぶ長丁場になった。

4年前に初めて招かれた映像作家の工藤は、そこで自作のラップをプレゼントしたという。昨年も一曲、大谷のために作り上げた。街と仲間のことをブーンバップに乗せて歌い上げた『DEAD CITY』は、友人たちから大きな評価を受けることになる。オグリキカクの主宰・小栗栖龍法もその場に居合わせたうちの一人だ。

LE PANDA HOUSEにて原田茶飯事とiimaを迎えることになり、小栗栖は大谷にも声を掛ける。その後、少しだけ悩んだのち、意を決して工藤にオファーを出してしまう。

「もし良ければラップしませんか?」

工藤はこれを快諾し、クルーを結成した。「俺のやりたいHIPHOPはレベルミュージックなんだけど、ソロでは難しいと思ってた。でも、そういう気概を持った仲間と一緒ならやれるかもしれないと瞬時に閃いた」と回想する。

こうして「キムラ」「一徹」「イサムちゃん」という、この街を代表する荒くれ者が集められた。もちろん三人にとっては初めての経験だが、打ち合わせや練習を重ねるうちに、少しずつラッパーとしての自覚が芽生え始めているらしい。「決してB-BOYとは言えないけど、彼らの中にはレジスタンスの血が流れている」と、工藤は断言する。

5月25日、佐伯市初のラップクルー「ANI」が、そのベールを脱ぐ。

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