「魔界フェス2022」私観

極私的「魔界フェス2022」の感想

1.紫川カナシミ合唱団(仮)

今回の出演者で唯一まったくの知識がなかったアーティストでしたが、本編でも取り上げてる『ギリギリ』に胸を打たれた。この日はリーダーの方が不在で、フロントマンの2人編成だったらしいんだけど、フルメンバーでのステージも絶対に観たいと思った。「お前とお前とお前とお前とお前とお前が集まった」は、あらゆるパーティーに適応される核心を射抜いたパンチラインだと思う。

2.オクムラユウスケ

高校生の頃に『ニャンでもない日には』というオムニバスアルバムを買って、目的は当時まだ野狐禅が解散したばかりの竹原ピストルの新譜でしたが、その他にも三上寛や銀杏BOYZ、豊田道倫、加地等など錚々たるメンバーの中で、しかしぶっちぎりで食らったのがオクムラユウスケさんの『8月のキャミソール』でした。「好奇心旺盛の山城新伍が駆け回る田園風景を〜」って歌い出しにぶっ飛んだ。なんだこの人は、と思った。1番多感だった時期に聞いてたアーティストなので、まさか佐伯市で、こうやって接点ができたの光栄過ぎる。今回の動画には入れてないけど、『ロックスター』に至るまでのステージングも凄かったです。

3.ツチヤチカら

前回の魔界フェスでお世話になってからのファンです(多分俺だけじゃない。ライブを観た人はみんなそうなったと思う)。ツチヤさんがやってるバンド6EYESは、大学生の頃に京都メトロでやったoddeyesのレコ発かなんかで初めて観た。田舎から出て来て、アンダーグラウンドカルチャーに触れ始めたばっかりの俺にとっては鮮烈で、めちゃくちゃ格好良かったんだ。まさかその人が数年後に金玉おじさんになって、地元で再会するとは思わなかった。当時の俺に教えてあげたい。

4.クリトリック・リス

スギムさんを初めて観たのも京都、KBSホールでのボロフェスタだった。学生スタッフとして記録撮影してたら、いきなりステージから降りて公道まで出て、爆竹を鳴らし始めたんすね。とにかく破茶滅茶で、どちらかというとショックだった記憶がある。大谷さんからクリトリック・リスにオファーしてる、と聞いて楽しみより不安の方が大きかったのは、その時のインパクトが強過ぎたから。個人的な「魔界フェス2022」でのベストアクトはクリトリック・リスの『おっさんライオット』でした。

5.ボギー

帰郷し、サイキシミンと仲良くなって、今年はヨコチンロックカーニバルにも行った。ボギーさんを知れば知るほどサイキシミンが影響を受けてるのが分かるし、なぜ彼らの父なのかも理解できる。「魔界フェス2022」は、改めてアーティストの出順が完璧だったと思うんですが、この流れでカシナポの前をやれるのはボギーさんしかいないよな、と思った。すべてを把握した上で役割を全うしてくれた、そんな印象があるし、大谷さんとの信頼関係も垣間見えた。さすがに俺の考え過ぎかもですが、とにかく魔界フェスのために盛り上げに徹するビッグボスの威厳を感じたんですね。ずっとバカバカしくて最高のステージでした。

6.カシミールナポレオン

撮り方が難しい。どうやって撮ればいいのか、いつになっても分からない。こんなに掴めないことはあんまりないんだけど、これからも掴める気がしない。編集で歌詞テロップを入れてて、もっと分からなくなった。

7.大谷慎之介

という感じで、この素晴らしいアーティストたちを佐伯市に呼んでくれたのが、我々にとってのビッグボスであります。正直、誰もこんなメンツをわざわざ呼ばないです、普通は。でも、こういう音楽に触れて泣いたり笑ったりしてきた自分にとっては、本当に奇跡みたいな夜だった。後日、めちゃくちゃムカつくことがあって、死ぬほど頭にきたんだけど、この動画の編集をすることで心を鎮めた。もしサイキシミンがいなかったら、果たしてまだこの町にいただろうか?と思うことがたまにある。

written by ANI:弟が先に「工藤くん」として知られていたため、「兄」の名が定着した。読みは「アニー」らしい。

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